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Singin' in the Rain 「ナイロビの蜂」 (2005・英)

「ナイロビの蜂」 (2005・英)

2008.10.15 *Wed
レイフ・ファインズは本当にすばらしい俳優。
「イングリッシュ・ペイシェント」で魅せられ大好きになったが、今作の演技も見事。
そしてこれは珍しく邦題もイケてる。「THE CONSTANT GARDENER」ではちょっと・・・。
だけどジャスティンの人となりはとてもよく表した原題です。

ナイロビの蜂ナイロビの蜂
(2006/11/10)
レイフ・ファインズレイチェル・ワイズ

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(ネタバレ)
英国外務省一等書記官であるジャスティン・クエイルレイフ・ファインズ)は空港で
妻とアーノルドを見送った。「二日後に・・・。」と別れの言葉を交わしながら。
ところがこれが二人を見た最後の瞬間になるとは・・・。

悲報を届けたのは友人でもあり高等弁務官事務所長のサンディダニー・ヒューストン)だった。
取り乱すこともなく、サンディに嫌な役をやってくれたねぎらいの言葉をかけるジャスティン。
テッサレイチェル・ワイズ)の遺体はトゥルカナ湖南端で車の中で見つかった。
アーノルドの姿はなく、テッサは黒人の運転手とともに無惨な姿で殺されていた。

ジャスティンはテッサとの出会いを思い出していた。

バーナードの代理で不本意な声明を読まされていた記者会見場。
そこへ熱い質問と非難を投げかけてくる女性がいた。
・・・それが弁護士であり活動家のテッサだった。
二人は意気投合し、彼女の家へ。テッサはジャスティンへ“すばらしい贈り物”を届ける。
穏やかで植物の世話が好きなジャスティンと、正義感に溢れ行動的なテッサ。
全く正反対の二人がお互いに強く惹かれあう。
そしてジャスティンがアフリカに赴任することになると、テッサは自分も連れていって欲しいと願う。
それは実質上プロポーズとなり、ふたりは結婚してナイロビでの生活が始まる。

ナイロビ(1)

テッサは妊娠し、二人は幸せな結婚生活を送っていた。

ナイロビ3

夫はガーデニングの趣味、妻は救援活動・・・とお互いに干渉しない生活。
しかしジャスティンはたまたま妻への気になるメールを目にしてしまう。
いつも行動を共にしているアーノルドとの男女の関係を疑うようなメールだった。

“世界の医師団”のアーノルド・ブル−ムユベール・クンデ)とテッサは度々スラムを訪れ
医療施設の改善のために活動していた。テッサは現地の子どもから“ママテッサ”と慕われていた。

ナイロビ2

テッサは現地の人が使うウフル病院で出産する。・・・しかし死産であった・・・。
隣のベッドでは15歳の少女が出産し、死にかけていた。
彼女の名はワンザ・キルル。弟はキオコ。ミルリから何時間もかけて歩いてきたという。
やがてワンザは亡くなる。テッサは彼女の死について何事かをつかんでいた。
信頼おけるサンディに協力して欲しいと、夫に気付かれないようにこっそり頼む。

テッサは子を失った悲しみを振り払うかのように、真実の究明にのめりこむ。
ワンザは製薬会社の人体実験によって殺されたのだ。薬の名はダイプラクサ
KDHが作り、ケニー・カーティスが代表のスリービーズが治験をしていた。
新薬の副作用によって命を落とした現地人が何人もいるはずだった。
アーノルドと共に証拠を集めレポートを作成する。

そんな動きをKDHと金で癒着しているイギリス政府は見過ごさなかった。
サンディの元へ「テッサを見張るように。」という指示がくる。
しかしテッサはかねてから友人以上の好意を示していたサンディを誘惑、
自分を好きにしていい代わりにその「手紙」を見せてほしいと頼む。


遺体確認から自宅に戻ったジャスティンは警察が来てテッサの物を押収していったことを知る。
自分も彼女の持ち物を調べてみる。すると結婚写真などが入った箱からサンディからの
熱烈なラブレターを発見する。それで初めて友人の裏切りを知るのだった。

ナイロビ5


他に遺言と共に見つかったいくつかのメモ。
親しい友人ギタによってアーノルドがゲイだったこともわかる。
妻は浮気などしていなかった。潔白だったのだ。
ジャスティンの真実を探る旅が始まった。
しかしすでにジャスティンの行動も大きな力によって監視されていた。

ジャスティンは上司である外務省アフリカ局長バーナード・ペレグリンビル・ナイ)と食事する。
そして「イギリスへ戻り無期限の休暇をとること」と「真実を探るな」という忠告を受ける。

ジャスティンはテッサがもっとも親しく気を許していた従兄弟のハムと会う。
そこでテッサの資料を紐解くと同時に彼女が追っていたものと、自分への愛情を
痛いほど知ることとなる。
テッサは愛する夫を巻き込みたくなくて、何も言わなかった。
ジャスティンはアーノルドとの関係を疑っていた自分を責める。
そしてテッサの意思を引き継いで真相を暴く決心をする。

ジャスティンは命を狙われ危険な目に会いながらも、偽名を使ってベルリンへ行き
テッサとやりとりのあったビルギットからダイプロクサを作った医師の話を聞く。
ホテルに戻ると「最後の警告だ。」と侵入者から激しい暴行を受ける。
アーノルド・ブルームは恐ろしい拷問の末、木につるされて殺されていたことがわかる。

ジャスティンは脅しにひるむことなくケニアへ戻る。
そしてサンディの元へ行き、彼が書いたラブレターをつきつけ白状させる。
テッサのねらいは、ケニーへ圧力をかけ今の治験をやめ、薬を研究しなおせ・・・ということ。
しかしもし薬の発売が遅れることになると会社側は大変な損失になる。
新しい薬を作り直すより、副作用の情報をもみ消したほうが安上がりだ。
イギリス政府としてもKDHに工場を作ってもらい労働者を雇ってくれたという借りがあった。

そして皆がテッサを裏切った。サンディはペレグリンにテッサがロキに行くことを報告していた。
ジャスティンはその話を聞くと、黙ってサンディに手紙をつき返した・・・。

その後スリービーズのケニーが接触してきた。
ケニーは資金繰りに困り破産寸前だった。彼は「失脚するならペレグレンを道連れに・・・。」
とジャスティンをある場所に連れて行った。
そこは治験の副作用によって死亡し闇に葬られた、ワンザ他62名の墓場だった。

ジャスティンはティムから最後の警告を受け拳銃を受け取る。
ティムは言った。「我々の共通点はクリスマスまでに死ぬことだ。」彼は不治の病を患っていた。

物資を運ぶ飛行機に乗せてもらい、ドクター・プラントに会いに行く。
彼こそダイプラクサを発明した医師ロービアだった。
テッサは彼から臨床データとテープでの証言を得ていた。
そして彼はテッサが作った16ページものレポートのコピーと「手紙」を持っていた。
彼が、KDHの警備担当クリックにテッサの居場所を知らせたこともわかった。
サンディもロービアも、まさかテッサが殺されてしまうとは思っていなかったのだ・・・。

ナイロビ4

部族の襲撃から辛くも逃げ、ギリギリのところで飛行機に乗り込む。
帰りの飛行機の中で信頼できそうなパイロットに「手紙」を託す。ローマ宛だ。
そしてジャスティンはトゥルカナ湖の近くで降ろしてもらい、妻の歩んだ道を辿る。
彼には覚悟ができていた。


追悼式が行われていた。ペレグレンが弔辞を述べていた。
自らの命を絶ったジャスティンを偲んで・・・。


続いてハムが壇上に立った。彼は「これは書簡ですが・・・」とある手紙を読み始めた。
ペレグレンの顔色が変わる。次の瞬間、彼は逃げるようにその場を離れた。
手紙はテッサに対し行ったこと、真実すべて書かれていた。
そしてハムはジャスティンが受けた複数の銃弾が彼のものでないことも付け加えた。


ジャスティンは使者が来る前に湖を見つめながらずっと妻を感じていた。
そして「君の秘密がわかったよ、今理解できた・・・。」と心の中でつぶやいた。

ナイロビ ラスト




う〜ん、重い映画ですね〜・・・。恋愛は・・・付け足しといった感じ。
それよりももっともっと重いテーマがあります。サスペンスタッチでもあります。

『シティ・オブ・ゴッド』で注目されたフェルナンド・メイレレス監督が、
現実にアフリカで起きた事件を題材にしたジョン・ル・カレの同名小説を原作に、
壮大なスケールで描く力作サスペンス映画。

説明もこうあります。
なぜサスペンスかと言うと、最初に美しい妻が殺されてしまうから。
そして彼女はあまりの美しさゆえに観る側・・・と夫にまで誤解を与えてしまう。
中盤ぐらいまでは彼女はジャスティンを裏切ってアーノルドとできてると思ってたんですね〜。
それらしい怪しい行動がたくさん。

おまけに真相を突き詰めるためには、「女の武器」を使うこともいとわず、
まさに手段を選ばない・・・ということがわかったから。
それだけ情熱的で意志の強い女性なんですよね。
そういう彼女だから、ジャスティンとすぐに肉体関係を持ってアフリカに付いてきたのも
結婚より他に目的があったから・・・と一瞬思ってしまいました。
だけど違った。
テッサは深くふか〜くジャスティンを愛してたんです。マフィンと同じぐらい・・・。
レイチェル・ワイズのキュートな表情を見てください。
あの目で見つめられたら・・・。友人のサンディが惚れても仕方ないか・・・(腹立つけど)

だけどアカデミー賞最優秀助演女優賞かぁ〜。
彼女の魅力は心に残ったけど、賞を獲るにはもう少し活躍して欲しかった感じもしますね。

私はレイフの演技にひたすら感動しましたね。
ガーデニングが好きな温厚な人柄。彼がそれを見事に表してるんです。
抑えた、抑えた演技をしてるんです。

妻の死を告げられた時。
妻の遺体と対面した時。
妻から愛を告白された時。
子どもを失った時。
友人の裏切りを知った時。
妻を死へと追いやった事実を知った時。

彼は感情を爆発させません。怒鳴ったほうがわかりやすくて楽だと思うのですが。
その抑えた演技が泣けるのです。

でも彼が最後のほうで声を荒げるところがあります。
それはロービア医師と逃げる時に助手と言ってかわいがっていたアブクを助ける時。
ジャスティンはせめてこの子だけ・・・と連れて行きたがる。
しかしパイロットは許さない。「外には同じようなこどもがたくさんいるのだから・・・。」と。
アブクもやり取りを聞いていて悟ったように自分から、命の保障がない村へ戻って行った。
泣かせるシーンでした。

テッサの生前、同じような場面があって、その時はジャスティンが「NO」と言うのです。
何時間も歩いて村に帰るキオコ&母親を助けたいとテッサが言った時です。
ジャスティンはテッサの行動を辿るうちに、テッサの感情も理解していったのでしょうね。

映画の出来としては「イングリッシュ・ペイシェント」の方が好きです。
ドラマティックだし恋愛感情を深くえぐってますからね・・・。
この映画は悪人は一応裁かれるけど、誰も彼も死んでしまってちょっと救いがないです。
悲しすぎますね・・・。

アフリカの貧しくて、それでも懸命に生きている人々に胸を打たれます。
その人たちを利用して、どうせ死ぬのだからと虫けらのように扱って、
結局は金儲けのことしか頭にない連中に嫌気が差します。

“大製薬会社は武器商人と同じ”

そう言ったドクター・ロービアのセリフが心にのこっています。
人の命を救うはずの薬で、金儲けや殺人が行われているなんて・・・許せないことです。


CATEGORY : 映画
THEME : 映画感想 / GENRE : 映画
DATE : 2008/10/15 (水) 21:44:46
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