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Singin' in the Rain 「セッション」 (2014・米)

「セッション」 (2014・米)



おもしろかったですねえ!!

素直にそう思います。
今年のアカデミー賞レースで興味を持って、「博士と彼女のセオリー」「イミテーション・ゲーム・・・」
に続いて、映画館に足を運んで観てきました。
“引き込まれ度”はダントツでした。
ま・・・ったく飽きることなく、むしろ目を離せない状況で、あっという間の107分。
こういう映画は珍しいです。
だから編集賞を獲ったのも納得。ここまで余計なものを排除して印象的に構成できるって
すばらしい才能&仕事。

ジャズドラムを習った・・・というより、吹奏楽経験者のほうがこの話ピンとくるのではないかな?
鬼コーチのスパルタ指導。
所さんの「吹奏楽の旅」でもやってますね。吹奏楽コンクールで全国大会に導くような指導者は
タダモノじゃない。音楽指導の力量だけでなく、並々ならぬ熱意と、ポリシーと、カリスマ性と
特別なものを持った人でないとなかなか成し遂げられない偉業なのです。

先生が現れる前のただならぬ緊張感。
抜き打ちテスト的な、合奏中の集中攻撃。
できるまでやらせる、という地獄。
ひとりずつ演奏させては、「はい、次!」と目まぐるしく交代していく地獄。
指揮棒やスコアなど、何かが飛んでくる地獄。
合奏中、先生が意味不明にキレる地獄。

そういう恐怖体験をした人は少なくないはずです。
現に若き天才、デイミアン・チャゼル監督もそういう体験をしたそうですね。

しかし正直、フレッチャーは度を超していた。 ネタバレです。

いくら立派な演奏家にさせたくて、誉めたりせず、ムチだけで指導するにしても
陰険すぎる。汚なすぎる。
アンドリューに会った時も、彼からざーっと身の上話を聞きだしますよね。
父親のこと、母親のこと、音楽経験者か・・・
それは親しくなるための知識じゃない。然るべき時に、“より効果的に相手を痛めつける”ための知識なのだ。
「だから母親は出て行った。」とか、父親の侮辱だとか、もっとも傷つくことを言ってはダメージを与える。
まあ、ここが『軍隊の教官』を思わせるところなんだろうな。
それが良い演奏のために何の役に立つ?
フレッチャーの人権無視とも言っていい罵声は、本当に聞いてて不快だった。

生徒の前で、かわいがってた教え子が自動車事故で亡くなった・・・とウソをついたのも
ただの極悪人としかいようがない。
本当は、例のごとく追いつめ、罵り、傷つけて、鬱にさせ自殺に追い込んだのだから。

アンドリューに対しても、逆恨みもいいとこだった。
自殺に追いやった一件で、アンドリューがチクっただろうと思いこんで、ものすごいワナを仕掛ける。
アンドリューには、「バンドでやった、いつものあの曲だよ。」などと安心させておきながら
舞台上で始まったのは見たことも聴いたこともない新曲。

ここで二つのことを思った。

ひとつは・・・ 楽器経験者は練習してない曲をいきなり本番で演奏しなきゃいけない・・という夢を見ること。
一度や二度、見たことがある悪夢ではないでしょうか。
この映画では、その悪夢が現実になったわけです。

もうひとつは、「いかなる場合でもリハーサルしないなんてありえない!」・・・ってこと。

監督は経験者だから、わかった上で、演出上そういうことにしたんでしょうけど
本番前には必ず音出しはするし、そこでちょこっと合せたりするし、ぶっつけ本番はありえない。
舞台上で「えーっ、楽譜が違う~!」・・・なんていうのは非現実的でした。

しかし、ここまであくどいことをやるのか、フレッチャーは。・・・と思わせる演出としては
最高でした。もう本当にぞっとしましたもん。
わくわく、うずうずと演奏に気持ちをあげているアンドリューに浴びせかけた
「なめんなよ!」という言葉。・・・凍り付きました。
アンドリューでなくても、私もびっくりしましたもん。そこまでゲスかと。
カーネギーホールにはスカウトもたくさん来ていて、優秀な演奏者にはデビューが待っている、と。
ここでの演奏を彼らは決して忘れない、と。
フレッチャーの言葉は、これから起きる悪夢の前ふりだったんですねえ~。

しかし、ここからがスッキリポイント!!

アンドリューの逆襲です。
1曲目、全く曲を知らなくて、めちゃくちゃな演奏をしてしまったアンドリュー。
大恥かいて、彼の音楽家の道は閉ざされてしまったのか・・・
いえいえ、彼は再び叩きはじめました。腕は確かなのです。
驚くフレッチャーに、「僕が合図する!」と言い放つ。

かっこいい!!

と心から思う。「やれやれー!!いいぞー!」と心の中で応援する。
やがて舞台は彼の独壇場となる。バンドを率いて「キャラバン」を演奏して、ながーいソロに。

「殺すぞ!」 と脅していたフレッチャーも、やがてアンドリューの陶酔した演奏にのめりこんでいく。
叩きすぎて、はずれかけたシンバルを直してやる。

この最後の場面、二人がひとつになった、フレッチャーも彼を認めた・・・という見方が多いようですね。

そーーーーなのかもしれないけど、私はなんだかそう考えたくない。
フレッチャーがイヤな人間すぎるから。
フレッチャーの指導者としてのカタルシスなんてどうでもいい。
アンドリューのフレッチャーに対するただの復讐と、名誉挽回だけでいい。

フレッチャーは観客に結果的に支離滅裂なことを言って、指揮者として大恥かいた。
一生懸命取り繕おうとしたけど、ドラムにいいようにされ、バンドを乗っ取られ立つ瀬がなくなった。
それでよかったのに。

フレッチャーの人格が汚すぎて、美談には到底なれないし、アンドリューまでもが『セッション』
してしまったら汚れてしまう!
ん~~~しかし、アンドリューもある意味フレッチャーと同類なのだろうか~。
あのハゲ~・・・・・!!

(感想つづく)
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